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京都府向日市の司法書士 相続・遺言・生前贈与

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遺 言 家族のために残す、ご自分の心の想いを綴る手紙


1.遺言書を作りましょう


 遺言と言うと、何か堅苦しいイメージがありますが、遺言書は家族の幸福を願って残す心の手紙です。財産の配分だけでなく、あなたの相続人にあてた感謝や相続人に対する心情も書いておくことが出来ます。

 私ども司法書士の日常業務である相続登記をお受けする場合に、遺言の重要性を痛感させられる事が多々あります。

 遺言書が無いため、故人が残した財産が、家族間に対立を引き起こすことが、しばしばあります。故人が家族の幸せを願い築き上げた財産が、かえって家族の絆を引き裂くのは、悲しいことです。

 「急にこんな事になるなんて、遺言さえしておいてくれたら。」

 相続にまつわるトラブルに遭遇する度に、今まで幾度となく、お客さまからお聞きした言葉です。でも、後悔先に立たずとはこんな事を言うのかもしれません。
 遺言書を作成しておけばこのような悲しい事態を事前に防ぐことが出来ます。
 遺言書が無いという事は、生前に「私が死んだら誰に財産をあげるか」を何も決めていないということです。「相続人が話し合いをして財産を分けなさいよ」という意味です。
 財産の分け方を決めていないので『争族』になる場合が多いのです。
 「いずれそのうちに」とか「まだまだ元気だし」とか思っているうちに時が過ぎてしまいます。
 でも、「自分が死んだ後、家族を煩わせたくない」とあなたが思われるなら、遺言書を書いてください。
 遺言書は、遺言をする人のために、また、遺言書を書いてもらっておく必要がある人のために作るものです。(具体例

 遺言書を作ることは、そんなに煩わしい手続ではありません。
 遺言能力さえお持ちなら私どもが用意した整理ノートに自分の思いを整理し、ペンを走らせさえすればいいのです。

 後は私ども専門家にお任せ下さい。遺言書は法律で定められた様式のものしか、遺言書として有効には成立しませんし、また法律上遺言としての効力が認められるのは、法定の遺言事項に限られますが、それをチェックするのは専門家である私ども司法書士の仕事です。私どもがしっかりとサポート致します。

 遺言書には普通の方式による遺言として自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。
 どの方式の遺言にするかはそれぞれ長所、短所が有りますが、費用が許せば、証人を二人立てるなどの必要がありますが、相続発生後、検認手続が要らず、確実に遺言が残せる公正証書遺言にされることをお勧め致します。

 遺言書を作った後で、財産状況や相続人に対する気が変わり、遺言の内容を変えたければ、また作り直すこともできます。
 遺言書が複数出てきた場合は、遺言書の日付が最近の方の遺言書の内容が優先します。
 日付が古い遺言書の内容が全て無効になるわけではなく、遺言内容が齟齬する部分は日付が最近の方の遺言書の内容が優先するということなのです。

 仲の良い夫婦が、共同で1通の遺言書を作りたいとおっしゃる場合がありますが、共同遺言は禁止されており、遺言は二人以上の者が同一の証書でする事はできません。

 遺産の多い、少ないに関わらず、残されるご家族のために、ご自身の意思を書き残しておくことを是非お勧めいたします。
 「自分は自宅とわずかばかりの預金があるくらいだから遺言書なんか必要ない」と言う人も多いですが、自宅を相続できる人は法定相続人の内の誰か1人だけで、それ以外の相続人は自宅の価格に見合うだけの他の相続財産があれば良いのですが、その様な財産がなく、自宅に見合う相続財産を貰えなければ、不満や不公平感を持つ可能性が高いからです。このような事は相続財産に占める不動産の割合が高いという日本の傾向に原因しています。

 このような場合に、なぜその様な遺言をしたかを他の相続人が納得できるような理由や心情を付言事項として遺言しておけば、遺産相続をめぐって家族が争うようなことを防げたかもしれません。これも遺言の役割です。(このような場合には生命保険に加入して、自宅を相続しない相続人を生命保険金の受取人に指定しておくなど、他の相続人の為、不動産以外の相続財産を形成しておくのも一つの方法です)

 当事務所では遺言書の作成援助や公証人との打ち合わせ、証人の引受など遺言書作成の一切の手続をサポート致します。





2.遺言書を作るとこんなメリットがあります


@相続を争族にしない。

 遺言書がなければ相続人全員で遺産分割の協議をし、相続人全員の合意が必要となります。もし話し合いがまとまらなければ、遺産の配分をめぐって家族がお互いに嫌な思いをしなければなりません。場合によっては家庭裁判所での争いになってしまう可能性も否定できません。


A相続手続を進め易い。

 家族は遺言書の通り相続手続を進めればよいだけです。
 遺言執行人を定めておけば、更に相続手続は簡単に進められます。

B自分が築いて来た財産を、自分が残してあげたい人に確実に残せる。

 あなたは自分が苦労して築いてきた貴重な財産を誰に残してあげたいのですか。
 あなたが守ってあげたい人は誰ですか。遺言書はあなたの大事な人を守る貴重な手段として役立てることができるのです。


C遺言では財産に関すること以外にもできる事がある。

 自分の葬儀や墓についての希望や祭祀承継者を書き残して置けます。




3.遺言書をお勧めする具体的な例

 次のような場合に該当される方は、後々のためにも遺言書を書いておかれることをお勧めします。


@)事業を後継者に引継がせたい事業経営者

 事業継続に必要な事務所や工場用の土地や建物といった不動産、機械などの動産は、中小企業の事業の実施に不可欠な財産です。その様な財産を事業承継人である相続人が優先的に承継出来るよう、遺産の承継者を決めて置くことが大事です。
 また、場合によっては、他の法定相続人に対し事業承継を阻害するような遺留分の主張を控えるよう遺言しておくことも必要です。
 相続財産のほとんどが中小企業の事業の実施に不可欠な財産である場合は、事業承継人以外の相続人は、相続できる財産がほとんどないため、遺留分の主張がされる可能性があるからです。
 そのために出来る方策の一つとして、生前に『中小企業経営承継円滑化法』の規定にある「遺留分に関する民法の特例」を利用できるよう、先代経営者の推定相続人全員の合意を前提として、経済産業大臣の確認及び家庭裁判所の許可を受けることによって「除外合意」「固定合意」を定めておく方法もあります



※ 除外合意 後継者が先代経営者からの贈与により取得した自社株(完全無議決権株式を除く)又は持分について、先代経営者の推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者のうち兄弟姉妹及びこれらの者の子以外の者に限る)全員の合意により、その価額を遺留分算定基礎財産に算入しないこと。
※ 固定合意 後継者が先代経営者からの贈与により取得した自社株(完全無議決権株式を除く)又は持分について、先代経営者の推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者のうち兄弟姉妹及びこれらの者の子以外の者に限る)全員の合意により遺留分算定基礎財産に算入すべき価額を予め固定すること。

 あるいはまた会社の支配権の確保と言う観点から、相続後事業承継人が会社の支配権を確保出来るよう、相続に先立って議決権制限株式を発行し、事業承継人以外の他の法定相続人に対し相続させる株式が議決権制限株式である旨を遺言で指定しておくことも一つの方法かと思います。

 事業承継対策は大変重要な問題です。遺言だけで対応できない場合も多いのです。
 事業の継続発展、従業員の雇用の確保、取引先との信用の維持など、考えなければならない問題も多々有り、長期的な「事業承継計画」を立案し、いろいろな方法や対策を計画的に実行していかなければなりません。



A)推定相続人の中に行方不明者がいる。

 遺言書がなければ、行方不明者については家庭裁判所の失踪宣告を受けるか、遺産分割協議をする為、家庭裁判所で不在者の財産管理人の選任を受けなければならない事となります。いずれの場合も手続が大変面倒になります。



B)夫婦の間に子供がなく夫婦の父母も死亡している。

 夫婦の間に子供がなく、夫の父母、祖父母も死亡している場合、残された妻と死亡した夫の兄弟姉妹が法定相続人になるため、夫の遺産分割をめぐって争いになりやすい。



C)夫婦の間に子供が無く、妻に全ての財産を継がせたい。

 妻に全ての財産を相続させる旨の遺言がないと、夫の死亡により、まず夫の父母、祖父母と妻が法定相続人となり、夫の父母、祖父母が死亡している場合は、夫の兄弟姉妹と妻が法定相続人になります。夫の父母、祖父母が死亡している場合、夫の兄弟姉妹には遺留分がないので、妻に全ての財産を継がせる旨の遺言があれば、妻に全ての財産を継がせることが出来ます。



D)夫婦の間に子供が無く、自分の夫が亡くなった後も義父、義母を介護している。

  妻より夫が先に亡くなった場合、妻は義父、義母の法定相続人にはなりません。
 よって義父、義母の介護をした妻には義父、義母の残した財産の相続権はありませんので、義父、義母は自分達の介護をしてくれた、夫に先立たれた妻に財産分けを望む場合、何らかの財産を遺贈する旨、遺言をしておく必要があります。



<その他遺産分割でもめやすいケース>

@先妻の死後、再婚し先妻との間に子供がいる。
A内縁関係にある女性がおり、その女性に財産を残したい。
B相続人の数が多いなど親族関係が複雑である。
C子供たちの経済状態に格差がある。
D相続人達の仲が悪い。



<特別な事情があるケース>

@父親の事業に尽くしてくれた長男のため、相続分について格差をつけたい。
A相続財産の相続人に指定した者が死亡した場合に備えたい。
B自分と関係のあるNPO法人に財産の一部を寄付したい。
C自分が大事にしているペットを飼うことを条件に、ある人に財産を残したい。
D妻に先立たれ子供もいないので、自分の面倒を見てくれた人に財産をあげたい。




4、遺言の方式

 遺言は、法律の定める方式に従って作成しなければなりません。遺言が口頭でなされ、書面が作成されていない場合や、書面は作成されたけれど、法定の方式を欠いている場合は、遺言が成立したことになりません。

 遺言書を作成する上での留意点として、次のものがあります。

@共同遺言の禁止

 遺言は、2人以上の人が同一の証書で行うことはできません。

A証人または立会人になれない人

未成年者
推定相続人 現時点で相続が開始すれば、法律の規定によって相続人となるであろう人のこと
受遺者 遺言によって財産をもらい受ける人のこと
受遺者の配偶者
受遺者の直系血族 直系血族とは、世代が上下に直線的に連なる血縁者のこと。自己の祖父母・父母・子・孫など。養子・養親も含まれます。
公正証書遺言において、公証人の配偶者・4親等内の親族・書記及び雇人
署名できない人遺言者の口述を理解できない人


B検認手続

 遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人は、相続の開始(遺言者の死亡)を知れば、すぐに遺言書を家庭裁判所に持参して、その検認を請求しなければなりません。家庭裁判所では、相続人全員に呼出状を発送するなど、この遺言書の検認手続が行われます。
 なお、公正証書遺言はこの検認手続が不要です。

C遺留分の侵害

 相続に関するページで解説しています。詳しくはこちらへ

 では、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言について具体的に紹介していきます。




5、自筆証書遺言の作成

 自筆証書遺言とは、遺言者以外の者の関与を必要とせず、自ら遺言内容の全文・日付・氏名を書き、署名の下に押印して作成する、最も簡便な方式の遺言です。

長 所 遺言書の作成を秘密にしておくことができます。
いつでも書くことできます。
短 所 要件を満たさないと無効になることがあります。
紛失する危険があります。
稀ではありますが、筆跡をめぐって争いになることがあります。
検認手続が必要です。

 「自書」が要件とされるのは、証人や立会人を必要としない関係上、筆跡によって本人が書いたものであることを判定し、それ自体で遺言者が遺言者の真意に出たものであることを保証するためだと言われております。
 ただ、極めて稀ではありますが、筆跡が本人のものであるかどうかで争いになることがあります。家庭裁判所による検認手続は、遺言書が法定の形式を備えているかどうかを形式的に審査するだけで、筆跡や遺言内容の有効性まで確認するものではありません。よって、争いになった場合、鑑定人による筆跡鑑定によるところとなりますが、これもあくまで確率であって、完全に本人の筆跡であるということまで証明することは出来ません。
 なお、ワープロやタイプライター、パソコンによる遺言は無効です。字の書けない人は、公正証書遺言や秘密証書遺言によることが求められます。

 「日付」が要件とされるのは、遺言者の能力を判断する標準時を知るためと、2通以上の遺言書が現れた場合に、その前後を確定するためです。
 具体的に年月日まで記載することが必要となり、「○年○月吉日」では要件を満たしません。

 「氏名」は、戸籍上のいわゆる本名以外にも、芸名や屋号等、筆者の同一性が確認できれば遺言は有効です。なお、署名の下に押印が必要ですが、拇印でも足りるとされます。

 遺言書を訂正する場合は、遺言者がその場所を指示し、これを変更した旨を付記して、特にこれに署名し、その場所に押印しなければ有効な訂正と認められません。
 また、前にした遺言の内容を撤回する場合は、遺言の方式によってすることが求められます。

 当事務所では、遺言の文案作成のアドバイスも行っておりますので、お気軽にご相談ください。




6、公正証書遺言の作成

 公正証書遺言とは、証人を2人以上の立ち合いのもと、遺言者が公証人の面前で遺言内容を口述し、それに基づいて公証人が作成する遺言です。なお、遺言書の原本は、原則20年間は公証人役場に保管され、正本(原本と同一の効力を有します)は遺言者に手渡されます。

長 所 方式不備で遺言が無効となることがありません。
文字が書けなくても作成が可能です。
紛失・改変の恐れがありません。
検認手続が不要です。
短 所 公証人の関与が必要です。
証人2人以上の立ち合いが必要です。
立合人に遺言の内容を知られます。
比較的費用が掛かかります。

 公正証書遺言は、以下の方式により作成されます。

@証人2人以上の立会いのもとで、
A遺言者が遺言の趣旨を公証人に口頭で述べ、
B公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせまたは閲覧させ、
C遺言者及び証人が筆記の正確なことを承認した後、各自が署名押印し(遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して署名に代えることができます)、
D公証人が、その証書は方式に従って作成したものである旨を付記してこれに署名押印します。

 遺言者が口がきけない人である場合は、A「口述」の代わりに、公証人及び証人の面前で遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述するか、自書すること(筆談)で公正証書遺言を作成することができます。
 また、遺言者または証人が耳が聞こえない人である場合は、B「読み聞かせ」に代えて、筆記内容を通訳人の通訳により遺言者または証人に伝えることで公正証書遺言の作成ができます。
 さらに、公証人役場に行けない場合は、自宅や病院に公証人に出張してもらうこともできます。

 当事務所では、公証人との打ち合わせ、証人の引受なども行っておりますので、お気軽にご相談ください。




7、秘密証書遺言の作成

 秘密証書遺言とは、遺言者が、封書にした遺言書を、自己の遺言書であるとして、公証人と証人(2人以上)の前に提出し、公証人にその遺言書の「存在」自体を証明してもらう遺言です。なお、遺言書の原本は公証人役場に保管されません。

長 所 遺言の内容を誰にも知られることなく秘密にしておくことができます。
遺言書が本人のものであることを明確にすることができます。
短 所 要件を満たさないと無効になることがあります。
紛失する危険があります。
検認手続が必要です。

 秘密証書遺言は、以下の方式により作成されます。

@遺言者がその証書に署名・押印し、
A遺言者がその証書に封をして、証書に用いた印章でこれに封印し、
B遺言者が、公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述し、
C公証人が、その証書を提出した日付および遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名押印します。

 遺言書の本文・日付・住所は自書でなくてもよいので、代理人に書いてもらったり、パソコンで作成することもできますが、署名は必ず自書でなければなりません。
 なお、公証人は遺言内容を知ることができないため、方式不備があった場合に無効となることがあります。もっとも、この場合、秘密証書遺言としては要件を欠いて無効であっても、自筆証書遺言としては有効であれば、自筆証書遺言として認められます。

 当事務所では、遺言の文案作成のアドバイスのほか、公証人との打ち合わせ、証人の引受なども行っておりますので、お気軽にご相談ください。




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